シダモ・コーヒーエリアの南端から険しい道沿いに車を走らせると、イルガチェフェ村(標高2,500m)までの約35km間にコーヒーが大切に栽培されているのが目に映ります。肥沃な黒土に恵まれ、川と森と湖に囲まれた美しいイルガチェフェ村のシンボルであるアバヤ湖でエチオピアの人々が心から愛する湖の一つに数えられています。
この地域で生産が始まったのは1950年代と、コーヒーの生産文化からすると比較的新しいですが、紅茶にも似た特徴的なフレーバーとワインにも感じられるフル・ボディーのカップ評価から、このイルガチェフェ地区のコーヒーが‘YIRGACHEFE’の名で急速に取引されるようになりました。現在ではアメリカや北欧のスペシャルティコーヒー市場で人気を博している関係から、非常に手に入れ難いコーヒーの一つにもなっていますが、あえて生産エリアを広げることなく限られた生産エリアで栽培されています。
コンガ農協では基本的にG-2グレードが作られ、ナチュラルG-1はオーダーメイドで行ってもらっています。例年通りコンガ農協は高品質でフルーティな印象のイルガチェフェを生産する事で指名買いをしています。その裏付けは、ウォッシングステーションのマネージメントチームのレベルが高いこと、そして組合の農民との結びつきが強く品質に対する意思共有ができている事に起因しています。